外貨両替店をしていますと、両替レートについてご説明することはたくさんありますが、その前にもっと大事な「ニセ札」についてお話させてください。
他の外貨両替店さんは、外貨両替レートの良し悪しについて言うかもしれませんが、ニセ札についての対応の話はなかったのではないでしょうか?
あなたに「ニセ札」のリスクについて話しましたか? ノー?
なるほど。それがあなたにとって重要な理由はこうです。
もし、ニセ札への対処方法がなければ、例えばこんなことが起きるかもしれないのです。
ニセ札を間違って入手して使ってしまったら?
もし、自分が持っている外国紙幣がニセ札と知らずに旅行先で使い、受け取ったお店の人があなたが出したお札の異常に気づき、ニセ札の可能性があると当局に通報したらどうなりますか?
ニセ札を伝ったあなたは当然最初に疑われ、取り調べを受けることになるでしょう。
取り調べの時間は長くかかるかもしれません。
「いつ、どこで、だれから、どうやってそのニセ札を入手したのか?」
あなたは、この質問に的確に証拠を持って答えることができますか?
私達の両替店では、紫外線、磁気、赤外線、超音波、デュアル密着イメージセンサ(CIS)を駆使した外貨紙幣識別機を使い、外貨紙幣の真贋を判断して、お客様には外貨識別機を通過した紙幣をお渡ししています。(※1)
さらに、全ての外貨紙幣のシリアル番号(紙幣固有の番号)を記録し、それをプリントアウトしてお渡しするサービスも実施しています。
プリントアウトされた用紙には、プリントアウトした時間、外貨識別機の機械番号も印字されており、どの機械を使って外貨識別をしたかもわかるようになっています。
あなたは、この外貨紙幣のシリアル番号をプリントアウトした用紙を持っていることにより、
「いつ、どこで、だれから、どうやってそのニセ札を入手したのか?」
という問いに対して、正確に、しかも、証拠となるプリントアウトされた用紙を使って、
「東京の丸の内にあるM changerという外貨両替店からその外貨紙幣を買った。」と証明できるのです。
証明できるということは、あなたに対するニセ札行使の取り調べは軽減されることになります。
そして、私たちは、ニセ札が持ち込まれた際の両替記録と動画データで持ち込んだ人物を特定し、捜査当局に対してニセ札実行犯の特定に出来る限りの協力がきることになります。
もし仮に、他の外貨両替店を使って外貨を取得していた場合はどうでしょうか?
外貨両替をした際にもらう両替内容が記載されたレシートはあるでしょう。
しかし、その時、外貨両替店はあなたが受け取った紙幣の番号を知らせていますか?
外貨紙幣のシリアル番号が無いと、本当にその紙幣はその両替所で入手したものかどうかを証明することは出来ないでしょう。
したがって、あなたへの疑いの目は向けられたままとなり、取り調べの時間もかかるでしょう。
また、あなたに両替した外貨の紙幣番号を渡さなかった両替店は、当局への協力に対してどこまで責任を持って対応することができるのか疑問ではないですか?
ニセ札のニュース
2017年10月、日本でも100米ドル紙幣のニセ札が金券ショップに数十枚持ち込まれたとニュースに為りました。
ニセ札が意外と多く流通しているという参考になる情報を次に載せておきたいとおもいます。
日本では日本円のニセ札が流通していないませんが、諸外国では日本の常識が非常識となっている状況があります。
少し、日本の常識から離れて記事をご覧ください。
❝ 景気が悪くなると偽札が増えるというが、「ラ・バンガルディア」紙の報道によれば、<ユーロ圏で10,000人につき平均25枚の割合で偽札が流通している>という。
ユーロ圏で2015年の上半期に押収された偽札ユーロ紙幣は454,000枚だ。2014年下半期は507,000枚で、同年上半期に比べ53%の増加になる。2013年は1年間で67万枚、2012年は53万1000枚とそれぞれ偽札が摘発された。
ユーロのリーダー国であるドイツでさえもドイツ連邦銀行の報告によれば今年上半期だけで50,500枚の偽札が押収されており、それは昨年同半期の2倍の量にも及ぶという。「リベラ・メルカド」紙によれば、<50ユーロの偽札が一番多く48.3%を占め、20ユーロの偽札が40%>とも伝えている。人口8,000万人のドイツは生活レベルが高い故に50ユーロ紙幣を使う頻度が多いということで、必然的にその需要を悪用して20ユーロよりも50ユーロの偽札を多く導入するということだ。<EU圏で50 ユーロと20ユーロの紙幣が偽札の86%を占めている>という。
200ユーロや500ユーロ紙幣の偽札もあるが、それは非常に僅かだ。何故なら、日々の売買市場で使う回数が非常に少ない故に、偽札だと見破られる可能性も高いからだ。一方の5ユーロや10ユーロは価値が低いので偽札を刷るだけの意味は薄いという訳である。そこで最終的に効率が良いのが20ユーロと50ユーロということになる。
<偽札の印刷の大半はイタリアの南部地方で刷られていると推察されている。マフィアによる麻薬と偽札の配給が関連していると関係当局は見ている><ドイツ連邦銀行の専門家は倍率1500のマイクロスコープで画像を引き出して検査している>という。その一方で、2002年にユーロが市場に導入されて、現在まで<175億枚の本物の紙幣が市場に流通している>そうだ。(「ラ・バンガルディア紙」)。 ❞
ご覧の通り、私達が思っている以上にユーロのニセ札が出回っているといえます。
米ドル札に至っては、スーパーK、スーパーX、スーパーZと呼ばれる本物と見分けることが非常に困難な精巧なニセ札が出回っており、ユーロのニセ札よりも多くのニセ札が出回っていると言われています。
そのため、私達が外貨を手にするときに、知らずにニセ札を手にしているかもしれないのです。
日本における法律による罰則規定
また、日本でのニセ札に関連する法律による処罰は次のとおりです。
偽札を「行使の目的」で作ることや、偽札と知って行使(使用)することは、法律によって罰せられる。日本では刑法において、通貨偽造の罪(148条以下)があり、日本国内の通貨を偽造・使用した場合だけでなく、日本国外の通貨を偽造・使用した場合も処罰の対象となる。実際に使用する目的がない場合でも、例えばコレクションを目的として、無許可で偽札を作ることも処罰の対象となる。通貨及証券模造取締法では、通貨と紛らわしい外観を有する物を製造、販売することが禁じられている。
また、すき入紙製造取締法では、偽札製造を防止するため、偽造防止手段の一つである「すかし(『透かし』、正しくは『漉かし』)」に似た文様の「すき入れ紙」を、日本国政府の許可なしに製造することも禁じられている。
通貨偽造の罪とは、日本国における犯罪類型のひとつであり、通貨を発行する権限の無い者が通貨、もしくはそれに類似する物体を偽造、変造などにより作成することを内容とする。刑法の第16章に定められている。通貨偽造罪(148条)、外国通貨偽造及び行使等罪(149条)・偽造通貨等収得罪(150条)および収得後知情行使等罪(152条)、通貨偽造等準備罪(153条)が含まれる。
偽造通貨の流通はその国の信用を揺るがし、最悪の場合、国家の転覆をも生じかねない性質を持つため、どの国においても金額の多少に関わらず重罰が適用される。
ちなみに、日本で外国通貨を偽造および行使した場合の罰則規定では、次のとおりである。
(外国通貨偽造及び行使等)
149条1項 行使の目的で、日本国内に流通している外国の貨幣、紙幣又は銀行券を偽造し、又は変造した者 ⇒ 2年以上の有期懲役
2項 偽造又は変造の外国の貨幣、紙幣又は銀行券を行使し、又は行使の目的で人に交付し、若しくは輸入した者 ⇒ 前項と同様(2年以上の有期懲役)
引用元 Wikipedia
当社のニセ札への取り組み
上記のニセ札に関することも念頭に置き、私たちは、お客様の安全と安心のためにできる最大限のサービスを追求し、日々サービスの向上に努めています。
繰り返しになりますが、私達の両替店では、紫外線、磁気、赤外線、超音波、デュアル密着イメージセンサ(CIS)を駆使した外貨紙幣識別機を使い、外貨紙幣の真贋を判断して、お客様には外貨識別機を通過した紙幣をお渡ししています。(※1)
さらに、全ての外貨紙幣のシリアル番号(紙幣固有の番号)を記録し、それをプリントアウトしてお渡しするサービスも実施しています。
プリントアウトされた用紙には、プリントアウトした時間、外貨識別機の機械番号も印字されており、どの機械を使って外貨識別をしたかもわかるようになっています。
ですので、外貨両替は両替レートが良いだけでは本当に良いサービスとはいえないということをこの記事を通じて少しでも知っていただきたかったのです。
p.s.
もちろん、当社は外貨両替レートも最良のレートをお出ししています。
他店と比べて、当社の外貨両替サービスをご利用していただければと思っております。
※1 当社では、紙幣のシリアル番号の印字サービスを次の通貨で実施しております。
(2018年1月29日現在)
- 米ドル
- ユーロ
- 中国元
- 韓国ウォン