フィジーはイギリス連邦加盟の共和国だが、連邦との関係は安定的ではなかった。
過去約30年の間に、離脱と復帰、3回以上の加盟国資格停止を経験している。
それでも、約10年前までに発行された紙幣と硬貨には、連邦の長であるイギリスの女王・エリザベス2世の肖像がデザインされていた。
しかし、連邦加盟国でありながらも独自の大統領を擁する独立国としての誇りを示すかのように、現在流通している新シリーズの紙幣と硬貨からは女王の肖像が消え、代わりにフィジーで見られる植物、動物や、フィジー固有の文物の絵柄がデザインに用いられている。
カヌーのマストヘッドのデザインは最新の全ての紙幣に用いられる。
そのほかに、フィジー固有のセミが100ドル、花が50ドル、鳥が20ドル、魚が10ドル、オウムが5ドルの各紙幣を飾っている。
5ドル紙幣はポリマー製(プラスチック)である。
これは偽造が困難であること、耐久性に優れることから世界各国で採用する国が増えている。
イギリス連邦加盟国でも通貨の単位としてポンドではなくドルを採用したのは、近隣のオーストラリアやニュージーランドと同じである。
1フィジードル=およそ46.41円(2020年3月現在)