イギリスはEU加盟当初から国民の反対が多くユーロを導入していなかったが、2020年1月31日EUから離脱した。
Stering Poundが正式名称であるUKポンドは、銀の重量に由来している。
旧英国植民地であった国々では、ポンド呼称の通貨が多かったが、第二次大戦後米国ドルに基軸通貨の地位を奪われるにつれ、ポンド呼称の通貨も減少した。
為替管理規制緩和に伴い、10進法でなかったUKポンドは計算に混乱を招くという理由で、1971年に1ポンド=100ペンスの10進法に移行した。
1992年、ジョージ・ソロス率いるファンドがポンドを売り浴びせ、イングランド銀行はポンドを買い支えるとともに金利を最大15%まで引き上げた。
当時英国が欧州為替相場メカニズム(ERM)に加入していたにもかかわらず、ドイツ連邦銀行はポンド防衛に協力せず、1992年9月16日の屈辱的なブラックウェンズディを迎え、翌日英国はERMを脱退し変動相場に移行した。
この時から英国の欧州不信が始まっているとされる。
また、このファンド側の大勝利がその後のアジア通貨危機を引き起こした。
FXの相場においては、相場の進展の早さと価格の変動幅の大きさ、不規則な値動きで有名である。
ポンドは輸出入による実体経済の為替需要が少なく、取引のほとんどは投機資金であり貨幣の流通量が少ない為に、価格が変動しやすく、ポンドの通貨ペアは何れも一攫千金を狙うトレーダーの激戦区となっている。
この相場で生き残ることは難しく、1日で破産にまで追い込まれるケースが多々あることから、ポンドは別名「殺人通貨」とも呼ばれる。
紙幣はすべてイギリス国家首相であるエリザベス女王が表面に印刷されている。
イングランド銀行発行のポンド通貨は法定通貨国としてはイングランド、ウェールズの2か国だが、スコットランドおよび北アイルランドでもポンドの発行が認められているので、事実上連合王国を構成する4か国全域で流通する。
チャネル諸島、ジブラルタル半島、フォークランド諸島でも、等価のポンドを発行しているが、イングランド・ウェールズの銀行でイングランド銀行発券のものと交換可能である。
基本的に流通域以外ではイングランド銀行券しか両替できないので、帰国時には注意のこと。
1イギリスポンド=およそ143.3円(2020年2月現在)