1966年まではインド・ルピーを使用していたが、その後、サウジアラビア・リヤル、カタール・ドバイ・リヤルと通貨を変え、1973年に現在の「カタール・リヤル」を導入。
現在はドルペッグ制(ドルと固定相場)をとっており固定レートは1ドル=3.64リヤル。
エネルギー輸出に頼る小国カタールはこの固定相場で金融の安定が支えられている。
2017年6月近隣8カ国(サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、エジプト、イエメン、モルディブ、モーリタニア、コモロ)がカタールとの国交断絶を発表、ヨルダン等3カ国が外交関係縮小を表明したことでカタール・リアルが一時急落、通貨リヤルと米ドルとの固定相場制は、この国交断絶して以来、重圧下にある。
一方で、ペッグ制を廃止すれば資本投資が加速、インフレ圧力が高まり、上述の敵対する国々にも自国通貨売りの事態となり得る。
同国は近年LNG・液化天然ガスの輸出で経済発展が加速、独自の外交を繰り広げているため、テロ支援国家とサウジアラビアから敵対視されることとなり、カタールへの食品の輸入が遮断される等、通貨リヤルへの売り圧力が増している。
しかし、カタールは為替介入して通貨防衛を実施するだけの充分な外貨準備があるとみられる。
1カタールリヤル=およそ29.154円(2020年3月現在)