エチオピアはアフリカ最古の独立国及び現存する世界最古の独立国の一つである。
「ブル」という通貨の名称は、独立国エチオピアで19世紀から使用されていた。
補助単位の「サンティーム」は、フランス語圏の通貨の補助単位とよく似た発音であり、歴史上のエチオピアへのヨーロッパの影響を反映している。
事実、1936年からのイタリアによる占領時代には、イタリアの旧通貨であるリラがエチオピアでも使用された。
リラはその後、イギリス勢力下において東アフリカシリングに置き換わり、ブルの復活は45年のことだった。
現在のブル紙幣には、エチオピアの少年(1ブル)、コーヒーの収穫風景と野生動物(5ブル)、伝統工芸の籠を編む女性(10ブル)など、自国の文物や自然をたたえるデザインが採用されている。
最高額の100ブル紙幣の裏側には顕微鏡をのぞく男性の姿が描かれていて、科学技術の振興にも力を入れる同国の姿勢を表している。
1993年にエチオピアから分離独立したエリトリアでも、97年に独自通貨「ナクファ」が導入されるまではブルが通貨として使用されていた。
1エチオピアブル=およそ3.276円(2020年3月現在)