2018年8月20日から新通貨「ボリバル・ソベラノ」に変更され、併せて10万分の1の単位切り下げ(デノミ)も実施された。
(10万ボリバルフェルテが1ボリバルソベラノとなった)
その際に発行された紙幣は500ボリバルが最高額紙幣だったが、翌年の2019年には早速10,000~50,000ボリバル紙幣が発行された。
これまで準備不足で2度延期したが、今回は変更当日を休日としたうえで送金やカード決済などの金融システムを全国的に一時停止した。
新通貨発行と同時に、同国が独自に発行する仮想通貨「ペトロ」とのペッグ制(固定相場)も導入した。
1ペトロ=3,600ボリバルソベラノとなる。
ペトロは原油価格に連動し、1ペトロあたり60ドルの価値があるとしている。
しかし、同年11月には早速基準価格の引き上げが行われ、1ペトロ=9,000ボリバルソベラノに設定された。
ベネズエラではハイパーインフレにより、度々デノミが実施されている。
2008年:1,000ベネズエラ・ボリバル→1ボリバル・フェルテ
今回2018年:10万ボリバル・フェルテ→1ボリバルソベラノ
このように名称変更、デノミが実施された。
余談だが、「フェルテ」は「強い」
「ソベラノ」は「至高の」という意味であり、
つまり、ボリバル→強いボリバル→至高のボリバル となった。
ベネズエラは南アメリカ北部に位置する。
原油埋蔵量は世界一であり1980年代までは南米でも最富裕国であったが、原油価格の下落や政府の失策などにより経済状況は低迷、現在は多くの国民が貧困にあえいでいる。
外貨不足と物資の欠乏でハイパーインフレが止まらず、国際通貨基金(IMF)は年内にもインフレ率が年率100万%にも達すると予測する。
ベネズエラでは紙幣の印刷を海外に委託しているが、財政難で十分に調達できていない可能性があり、ATMで引き出せる新紙幣が不足している。
デノミに合わせ、最低賃金を約35倍に引き上げると決めたため、インフレが加速し、再び紙幣が不足する可能性があるとの見方が強い。
なお、新紙幣は世界的にも少数派の縦長の紙幣である。
コインはすべて失効している。