旧宗主国スペインをはじめ、イタリア、ドイツなどヨーロッパ諸国からの移民によって主に構成されるウルグアイは、南米のスペイン系諸国では最小の国土(日本の半分より小さい)と、国民の少なさ(少ない故に教育水準は比較的高い)を逆に生かして早くから民主制と福祉制度を発達させ、20世紀半ばごろには「南米のスイス」と呼ばれていた。
しかし、20世紀後半には経済が停滞、悪化してインフレが進行し、通貨単位の切り下げを重ねてきた。
1964年以後経済の悪化とともにインフレーションが深刻化し、1973年に従来のウルグアイペソに代わり1,000旧ペソ=1ヌエボペソのレートで導入された。
その後1993年、1,000ヌエボペソ=1新ペソの割合でデノミネーション(通貨金額の桁数表示が大きくなると経済活動に支障をきたすので、その解決のために通貨の単位を変更すること)を行い現在のウルグアイペソになった。
現在はインフレは収まっているが、自動車、不動産、さらには高給取りの給料などを、不安定だったペソの代わりに米ドルで言い表す習慣は残っている。
南米ではチリ、アルゼンチンと並んで比較的治安の良い国とされるウルグアイだが、近年は強盗事件など凶悪犯罪が増加している。
スリ、置き引きなどは以前から珍しくないので、現金など貴重品の扱いには、常識的な注意が必須である。
1ウルグアイペソ=およそ2.68円(2020年3月現在)