エリトリアは1993年にエチオピアから分離独立した国家である。
独立後も1997年まではエチオピア・ブルがそのままエリトリアで使用されていたが同年、ブルと等価でナクファが導入された。
「ナクファ」は独立戦争の際に激戦が行われた町の名である。
2015年末、エリトリア中央銀行は全てのナクファ紙幣の交換を決行した。
偽造や地下経済への対抗策としてのほか、隣国スーダンの人身売買組織が従来のナクファ紙幣で代金を受け取っていたため、大量のナクファ紙幣がエリトリア国外に流出したという事情もあった。
この紙幣交換計画は極秘のうちに進められた。
翌16年1月1日をもって旧ナクファ紙幣は効力を失い、人身売買組織は旧紙幣を新紙幣に交換する余裕がなかったとみられている。
現在、1米ドル=15ナクファにペッグされているが、闇市場などでは20ナクファを上回るレートで取引されることも珍しくない。
1ナクファ=およそ7.064円(2020年3月現在)