グアテマラは中米では経済的に中位の国であり、国民総生産の4分の1を農業が占める。
世界各国には、その国の歴史上の偉人の名を通貨の名称としている例が珍しくない。
その中でケツァルのように国を代表する動植物の名が通貨名となっている例は極めて稀である。
ケツァルとは、グアテマラの国鳥とされる鳥で、和名ではカザリキヌバネドリと呼ばれる。
鮮やかな青緑色の頭部と翼、長く優美な尾を持ち、一方、腹部は深紅である。
1925年までは旧スペイン領であった国々でよくある「ペソ」がグアテマラでも通貨名だったが、時の大統領ホセマリア・オレリャナの下、ケツァルが導入された。
現在も1ケツァル紙幣の表側に同大統領の肖像が見られる。
現在の全ての紙幣の表側にケツァルの飛ぶ姿がデザインされ、かつ右上には、グアテマラの古代のマヤ文明の数字でも金額が表現されており、同国の文化的ルーツを示している。
さらに高額の500、1,000ケツァル紙幣の発行も計画されているといわれる。
最近では、1ケツァルは14~15円で推移している。
1ケツァル=およそ13.81円(2020年3月現在)