メコン流域で最も工業化が進んでいるタイの通貨であるので、信頼性は高い。
2017年後半より対円・対米ドルいずれもバーツ高のトレンドである。
中国との経済的な繋がりが強いので中国経済と人民元の動向を注視する必要がある。
為替管理は緩やかで、バーツから主要通貨への逆交換も、両替店に通貨の在庫があれば簡単に応じてくれる。
交換時、外国人はパスポートの提示を求められるが、一人一回2万ドル相当の持ち出し制限以下であれば出国時に申告は必要ない。
近隣国以外へのバーツ現金の無申告持ち出し限度は一人一回につき5万バーツである。
ヨーロッパには、2ユーロ硬貨と材質や重さが良く似た10バーツ硬貨が多く持ち込まれており、自販機荒らしが発生し問題となっている。
両替店によってレートに違いはあるが、総じて、売りと買いのレート差(スプレッド)は非常に小さいことで有名である。
ネット上に交換レート比較サイトがある。
バーツの呼称は、金の重量単位から由来しているので、タイで金地金を買うときは、重量もバーツで示され、金1バーツあたり20000バーツというように重量単位(1バーツは約15.2グラム)と金額単位が同じになる。
1997年のアジア通貨危機(タイバーツが発端となったことより、トムヤムクンクライシスとも呼ばれる)以前は1米ドルあたり25バーツ前後でのドルペッグで安定していたが、危機の際には一気に56バーツを超えて大きく動揺し、空売りを仕掛けるヘッジファンドと買い支えるタイ中銀の攻防戦から血まみれのバーツと呼ばれた。
最近は1米ドルあたり30-35バーツ程度で安定している。
外貨準備も十分にあり、通貨危機再来の可能性は低いと言われている。
1タイバーツ=およそ3.52円(2020年2月現在)