ナイラは、1973年に従来のナイジェリアポンドに代わる通貨として登場した。
産油国であるにもかかわらず、政治腐敗やクーデターで経済が安定せず、1985年以降ナイラの価値は急速に下落し、公定レートと実勢レートの並行二重レートの時代が長く続いた。
2017年に原油価格上昇により外貨準備高が改善したため、ナイジェリア中央銀行は外貨流動性回復方針に転換し、旅費・学費等の小口送金、小規模輸入業者に対する外貨供給窓口、海外投資家・輸出事業者向け外貨交換窓口の開設と需要に応じた交換レート(NAFEX)を導入した。
輸入業者による、L/Cや取り立て手形による外貨決済は財務省の事前許可なく認められているが、一部禁止品目もあるので注意が必要である。
外資系企業による利益送金、配当、キャピタルゲインの送金も認められている。
アフリカ最大の人口を持つ国であり、投資の魅力に富んでいるが、原油価格が不安定化すれば、外貨規制の復活も考えられるので、常に最新の情報を確認する必要がある。
硬貨は発行されているが、2ナイラで買えるものはほぼなくおつりで硬貨をもらうこともない。
1ナイラ=およそ0.296円(2020年3月現在)