ポーランドはEU加盟国だが、通貨はユーロではなく独自のものを使っている。
ユーロは一部のホテルやレストラン、空港を除きほとんど使用出来ない。
1989年民主化後のハイパーインフレーションにより膨張したズロチは、1995年にデノミ(通貨単位の変更)が実施され10,000ズロチ=1ズロチに切り下げられた。
ポーランド・ズロチは外的要因に左右されるハイリスクな新興国通貨だったが、近年は堅調な経済成長を背景に比較的安定して推移している。
堅調な個人消費とEU基金による公共投資が同国経済成長をけん引しており、今後もEUの景気回復とともに堅調に推移すると見込まれる。
しかし、2015年には政権交代によるカントリーリスクを懸念した格付け会社がポーランドの長期債格付けを引き下げたため通貨ズロチは大幅に下落するなど、依然として市場は同国の政策動向を注視している。
その後格付け見通しが改善し、為替動向も落ち着きつつあるが、政策の不透明感から外国投資が細ることでズロチの通貨動向にも大きく影響することになる。
EU加盟当初から対各国通貨で上昇と下降を繰り返すズロチのボラティリティの高い傾向は国内経済に悪影響を与えるため、ポーランド政府としては早期のユーロ導入を目指していたが、自国通貨の保持と金融政策の自主性を確保したい方向に転換したポーランド政府としては世論も考慮の上2012年にユーロ導入を見送っている。
当面ユーロが導入されることはないと見込まれる。
2017年2月10日に500ズロチが導入された。
紙幣は高額になるほどサイズが大きく、また金種により色分けされているので区別しやすい。
1ポーランドズロチ=およそ27.815円(2020年3月現在)